オールドデジタルカメラ

安価な中古カメラの魅力(オールドデジタルカメラ沼入門)

本記事では、おおむね2004年から2008年くらいの間に発売されたデジタルカメラ(以下、オールドデジタルカメラ)を中古で買うことの魅力を紹介する。

安い

言うまでもないが、オールドデジタルカメラの中古品は安い

安価であることは、次のようなメリットを生み出す。

落下も気にならない

カメラを持っていると、どうしても落としたりぶつけたりして破損させてしまう可能性がある。

ミラーレスや一眼レフを新品で買えば、10万程度はする。それを壊した日には相当なショックを受けるだろう。

一方でオールドデジタルカメラは5千円から1万円程度で買えるものも多いので、壊したら最悪買い替えればいい。

ただ、これは決して「安いから雑に扱ってもいい」ということではない。

大切に使うのは前提として、落としたりぶつけたりするのを恐れながら使う、というモヤモヤがなくなるというのが大きなメリットである。

そもそも頑丈

オールドデジタルカメラは、最新のカメラと比べれば性能こそ低いものの、作りはしっかりしているものが多い。

また、今では当たり前のチルトやバリアングルなど可動式モニタなる先進機能は搭載されておらず、固定式モニタが当たり前である。

可動式モニタは、使いやすいのと引き換えに、強度が落ちてしまうという課題がある。

言い換えれば、可動式である必要がなければ、固定式には大きなメリットがあるということだ。

可動式は、その可動範囲の中で衝撃に弱い位置(状態)が存在する。その状態のときに落としたりぶつけたりすると、モニタの破損につながりかねない。

液晶保護フィルムも不要

新品ではないので、液晶モニタのキズもさほど気にならない。

(そもそも最初からキズがついていることが多い。)

自分自身、新品で高価なカメラを購入したときは保護フィルムを貼らないと落ち着かなかったが、オールドデジタルカメラを買い始めてからは全く気にならなくなった。

いろいろなメーカーのカメラを試すことができる

価格が安いから、数台購入するのもよい。

たとえば、同じ年代でニコンとキヤノンを使い比べてみる、というのも面白い。

キズだらけのボディが逆にかっこいい

20年近くも前のカメラなので、中古で買うときには無傷という状態のほうが珍しく、ほとんどの場合にどこかにキズがついている。

それが逆にかっこいい。

ボディにはマグネシウム合金を使っていたりするから、その塗装が剝がれると味が出てよい。

新しいカメラでは意図的にキズをつけるわけにはいかないから、そういうのもオールドデジタルカメラのメリットである。

高性能すぎない

高性能すぎないことも大きなメリットであると考えている。

カメラの用途が、

  • 明るい場所で
  • 素早く動かない被写体を
  • 明暗差が少ない状況で
  • 低画素で(クロップ前提ではなく)

撮るという用途には十分である。1

最新のカメラは性能が高く、使い切れないと感じる。

必要最低限のスペックがいいという(自分含め、マニアックな?)層にはオールドデジタルカメラが刺さるのである。

画素数

たとえば、画素数。

今は、例外はあるものの2000万画素以上が当たり前となっているが、趣味で撮影する程度であればそこまで必要がないことも多い。

その点、本記事で対象としているオールドデジタルカメラでは、600万画素~1000万画素程度である。

撮影したデータをPCで等倍にしてみても、そこまで悪くない。

さらに、低画素にはデータが軽い(転送が高速、開くのが早い)というメリットがある。

JPGはカメラ側で記録画質(画素数含む)を設定できるが、RAWはできないことが多い。

センサ自体の画素数が少なければRAWデータの画素数も少なくなり、RAW現像などもストレスが減るだろう。

どうしても高画素がいい、という場合を除き、十分だと考えられる。

高感度性能

次に、高感度性能。

今のカメラはISO12800とかでも十分いきれいだったりする。

その点、オールドデジタルカメラでは概ねISO800くらいからすでにざらつきが顕著になると実感している。

夜間に手持ち撮影をするのならばおとなしく最新のカメラを買うべきだ。

しかし、日中に低感度(ISO200など)で撮影する分には全く問題なく、安価であるというメリットのほうが勝る。

機能が少ないため壊れにくい(はず)

あとは気持ちの問題かもしれないが、機能が少なく構造がシンプルであると壊れにくくなると予想できる。

ギャンブル感によるワクワク

中古カメラは、個体によって状態が大きく異なる。

宝探しの感覚で、良い状態のものを安くみつける楽しみがある。

これは新品や新しい機種では得られない感覚である。

注意点

基本的に保証なし

20年近く前に発売されたカメラの大半はメーカーによる保証対応が終了している。

それに伴い、カメラのキタムラなどの中古販売も現状渡し(保証なし)となることが多い。

そこは価格の安さとのトレードオフだから仕方ない。

しかしながら、カメラ専門店はたいていの場合しっかりチェックをしているので、すぐに壊れてしまうという確率は低い。(経験上)

壊れたら買い替える、くらいの気持ちで買うのが良い。

買い替えるということは、他の機種を使うことができる=いろいろ使い比べることができると考えれば、悪いことばかりではない。

新品で10万円近くのカメラを買ってしまうと、なかなかそうはいかない。

バッテリーの劣化

バッテリーの経年劣化は避けられない。

PENTAXなど一部機種には単3乾電池4本で使えるものもあるが、基本的にはリチウムイオン電池を使う機種が多い。

専用バッテリーは後継機種にも使われていて新品で入手可能な場合もあるが、生産終了していて新品で入手できないことのほうが多い。

そういう場合に、互換電池を扱うロワジャパンなどが強い味方となる。

ロワジャパンのサイトでは、機種名を入力すると使用できる互換電池を表示してくれる。

なお同社の互換電池も生産終了されている場合があるものの、ニコンやキヤノンは需要があるためか生産継続してくれていることが多い。

価格も安くて、たいへん助かっている。

互換電池の使用は賛否あるが、使った感覚からは、安全性には問題ないうえ、すぐに劣化してしまうこともなかった。

劣化した純正電池よりは新品の互換電池を使ほうがよい、という判断で使用しているが、問題なく使用できている。

おわりに

本記事では、安いだけにとどまらない、オールドデジタルカメラの中古購入の魅力を紹介した。

もちろん最新のカメラにも良さがある。それと同じくらい、オールドにはオールドの良さがある。

レンズ込みでも1万円程度で買えるため、試しに買ってみると沼にハマるかもしれない。

  1. それだとスマホとあまり変わらないじゃないか、と聞こえてきそうだが、レンズによる光学ズームができるというメリットがある。スマホにも光学ズームを搭載した機種があるが、主にフラグシップモデルに採用され端末が高価になってしまう印象。 ↩︎
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